2 記憶をたどる

<前回の続き>


ミキティ」こと藤本美貴さん。彼女が、モーニング娘。に入ると聞いた時は、もの凄いびっくりした。私の周囲も驚いていた。「ありえない!!」「絶対止めた方がいいのにね!!」と、(TVかPCの前で)猛反対したのを覚えている。ちなみに周囲の意見も同じ。いわばハロプロのライトファンの立場の私達ですらそう思ったのだから、当時彼女のファンだった人の気持ちは、察するに余りある。


元々、彼女に対しては、ルックスや歌に関して好印象を持っていたとしても、いかにも男性向きのアイドルという感じだったので、それ以上の関心を持つことはなかった。ただ、当時、凄く「のってきていた」彼女の姿を、TVで目にする機会はそれなりに多かった。

Matthew’s Best Hit TV」という番組、これも私はよく見ていたのだが、 「2003年は私の時代だって思っているでしょう?」 (←確かこんな感じ)というマシュー南のつっこみに、嬉しさを隠しきれないというか、もんのすごーい嬉しそーな顔をしていた彼女が何故かすごい印象に残っている。おそらく私もそれを見ながら、そうだよなー、と納得していた。


当時の彼女は、その位の勢いがあった。私の主観では、一時は、「あやや」も凌ぐ勢いだったのではないかと思う。(その年の紅白にもトップバッターで出場していた。これも、見てはいたんだけど、その後忘れていて、後に改めて知った。)まあ、勢いがあったからこそ、モーニング娘。に入ることになったのだろうけれど。


これも、かなり後で知ったことだけれど、彼女は、上京してから、レッスンをしながら所属事務所で事務などをしていたそう。デビューしてからも、ショッピングセンターなどで歌ったりするところから始めている。そんな彼女がデビュー1年足らずでそこまで上り詰められたのは、事務所のバックアップもさることながら、それ以上に本人の努力と実力が優れていたからに他ならないと思う。


そして娘。加入。

6期メンバー加入スペシャル(こういうのもしっかり見てた(笑))で、白いパンツスタイルかな?(今でも覚えている位のインパクト)で出てきた彼女を見て、「脚長ーい」「きれーい」「大人っぽーい」。(当時はちょっとツンとしたイメージがあったかもしれない。) 既にプロだったから、洗練されていたのは当然だったのかもしれないけど、こんな子入れちゃっていいの? みたいに思ってた。


ただ、それ以降、私のモーニング娘。への関心は、急速に薄れていくことになる。彼女と、他3人の6期メンバーが加入して出した最初の曲「シャボン玉」(この曲、「ヲタ(ファン?)」の間では結構人気みたいだけど)が、受け入れられなかった。センターが、予想もしていなかった人だった。当時はあまり良く知らなかったんだけど、その子はすごく年齢が低いのに、すごく実力があったんだよね。後藤さんの再来みたいにしたかったのだろうか?

でも、鳴り物入りで加入した藤本さんって何なの?って思った。

それまでは、「普通の子」がだんだん輝いていく、というプロセスを経てここまできた「モーニング娘。」。いわばモーニング娘。の真骨頂みたいなものを壊してまで「プロの子」を入れたのに… 何だか、展開が全く理解できなかった。


すごく皮肉なことなのだけど、今では藤本さんが大好きな私が、モーニング娘。に目を向けなくなったのは、ちょうど、彼女がモーニング娘。に加入した頃だったんだ。